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どこかで半分失くしたら 役には立たないものがある
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2011.04.12,Tue
連続テレビ小説「てっぱん」を見終わった。

感無量です。

すばらしいテレビ番組でした。

けっきょく最後はみんなが新しいスタートを切るという、前を向いた明るい終わりでした。なんとなく想像していた田中荘がなくなることもなく(下宿というかたちはなくなりましたが)、おばあちゃんが亡くなることもなく(病室で家族に看取られるシーンが頭にあった)、なんと、お好み焼き屋(主人公あかりが経営)と、下宿(おばあちゃんの経営)を仕切っていた「壁」が取り壊されひとつの空間になったのです。このシーンは格別なものがありました。熱いものがこみ上げた。当たり前にそこにあった壁を自分たちの手で取り払い、ふたりは家族になることにしたのです。おばあちゃんが最初にあかりに作った料理が玉子丼で、最終回では親子丼でした。ふたりは丼の中で家族になったのです。

このあとノベライズを読みますが、「てっぱん」は脚本がみごとでした。だれかのエピソードが、ちがうだれかのエピソードと深いところで重なっており、一見無関係と思える出来事が実はどこかでつながってるという、人と人とのつながり、機微ををたくさん描いてありました。

なによりヒロインの役者さんのまっすぐな瞳にぼくはずっと魅了されていました。ヒロインがほかの役者だったら途中で見なかったかもしれません。時代に流されない素敵な役者になっていくのでしょうね。

最終週、生まれた子どもの名前は「円(まどか)」。お好み焼きの円いカタチと、人と人がつながって円になる意味と、「縁」にもかかっていると思う。人は「縁」で出会い、「縁」でつながり、「縁」で助け合う。このドラマは「生まれてきてよかった」というはっきりとしたテーマで作られたのではないでしょうか。

下宿人はみな旅立っていった。ある者は太陽を目指して、ある者は家族を求めて、ある者は限界に挑戦し、みんな巣立っていった。もうひとつのテーマは「巣立ち」だった。

生まれてきたことは宿命としても、巣立ちは自分で選びとるもの。巣立つ時に生まれてきてよかったと思うのです。

題材の「お好み焼き」も「ひまわり」も、まるくて、あたたかい。どちらも人を結ぶものであり、人を包むものである。

すばらしい番組をありがとう。

これからの時代、「縁」が重要なキーワードになりそうな予感です。
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自己紹介:大阪在住。デザイン関係の仕事をしています。iMac愛用。携帯はINFOBAR C01 nishikigoi。断然ネコ派。愛猫をなくして7年。現在ネコなし生活。熱帯魚はずっといる。いまは小さいやつら。読書は森見登美彦と原田宗典と村上春樹。たばこをやめて8年。毎朝コーヒーを飲む。なにはなくとも一杯のコーヒー。ピクチャーロジックの第2管理人。(2015年8月現在)
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