きょうの音楽 #112

誕生 / 中島みゆき

しばらく中島みゆきのアルバムを聴かなかったときに、この名曲は生まれていた。ぼくの知らない間にきっと語り継がれてきたにちがいない。それから18年近くの時間を経て、今から1年前、槇原敬之が絶賛する歌というきっかけで、ぼくの元に降りてきた。

マッキーがそれほどまでに好きな歌ってどんな歌だろう。

それはとんでもなく大きな愛の歌。涙がとまりませんでした（実はいまも泣きながら書いています）。ぼくが生まれてから、やがて死んでゆくまで、いろんな人のお世話になり、色んな経験をし、そんなぼくの人生の全てを包んでくれる歌なのでした。母親の手で抱かれる赤ちゃんだったときの自分の感情が甦った。

人はだれでも喜ばれて生まれてくるのです。でももし、それを忘れてしまったならば、代わりにわたしが言う、生まれてくれてwelcome。ありがとうではなく、おめでとうでもなく、welcomeと。歓迎しますよ、さあ、生きなさい、ということのようです。だれも信じられなくなったら私（中島みゆき）のことを思い出しなさい。私（中島みゆき）が迎えてあげるから、と聞こえてきます。

人に迷惑をかけるのが嫌いで、なるべくひとりで生きていこうとしてきた自分が、すべてを委ねられる一生聴く歌です。

どうしようもなく落ち込んでいる人に、この歌が届きますように。



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