きょうの読書 #032

夜は短し歩けよ乙女 / 森見登美彦

いやはや、たっぷりと時間をかけて読みました。

もはやこれは歌である。ぜひぜひ声に出して読むべきだ。文章がメロディだ。自分で読んでいても頭の上のほうで、講談師がオーバーな抑揚で語っている。なぜか太鼓や鐘の音も聞こえてくる。

この人、天才ではなかろうか。

こんなにもリズミックでメロディアスな文章を読んだことがない。たとえば、これを誰かが朗読して、それをまた別の誰かが譜面に起こす。その譜面を見たシロフォニストが鍵盤を叩けば、さぞや素晴らしい前衛音楽が生まれるだろう。

文章にはふたつある、音楽的な文章と、音楽的でない文章だ。

と思ったら、これを朗読して動画をアップしてるものがあった。しかし残念。ぼくが思い描いているものはこんなものではない。もっとダイナミズムで、芝居がかったものだ。

たとえばこの人に読んでもらいたい。


夜は短し歩けよ乙女
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きょうの読書 #031

想像ラジオ / いとうせいこう

どこから聴こえてくるのか誰にもわからない、聴こえる人にだけ聴こえる想像ラジオ。DJアークは一日中喋り続ける。語り続ける。しかし、彼には時間の概念がなかった。果たしていまが何時なのか、自分のいる場所がどこなのかさえわからない。

東北大震災を背景に、読むごとに気の毒というか、いたたまれない気持ちになる悲しいお話。

愛する妻と子どもに向けた想像ラジオ。時間を超えて電波は届くのか。

DJアークが選曲する音楽は、アントニオ・カルロス・ジョビンの「三月の水」、ザ・モンキーズの「デイ・ドリーム・ビリーバー」、コリーヌ・ベイリー・レイの「あの日の海」など、東北の津波のことを想像せざるをえない曲ばかり。

強くお薦めします。

想像ラジオ
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きょうの読書 #030

ペンギン・ハイウェイ / 森見登美彦

まだ途中だけど、かなり面白い。愉快な調子。このままお話が終わらなければいいのに。

森見登美彦の文章ははじめてですが、淀みなく流れるようにスラスラ読めてしまうのだった。好きだ。いい人に出会った。流れるように読める文章を書くのってとっても難しいよね。そんな人に憬れる。

とにかく声に出して読んだときに気持ちがいい文章を読みたい。いくら内容がよくても、気持ちいい文章じゃなきゃイヤだ。
小説を読んで情報を取り込みたいんじゃなくて、楽しい時間を味わいたい。音楽を聞くのと同じ感覚で。

ペンギン・ハイウェイ
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きょうの読書 #029

三谷幸喜のありふれた生活10 それでも地球は回ってる / 三谷幸喜

そろそろ離婚の話が出そうでビクビク。こわくて目次が読めなかった。あんまり読みたくないけど、読んではおきたい、といったフクザツな心境。

「生き方」のちがいで溝が深まってしまった、のか。しょうがない。素敵なカップルでした。

三谷幸喜のありふれた生活10 それでも地球は回ってる
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きょうの読書 #028

三谷幸喜のありふれた生活９ さらば友よ / 三谷幸喜

猫が死ぬ話は泣けて仕方ない。それも10年以上も一緒にいたとなると尚更。

三谷幸喜のありふれた生活９ さらば友よ
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