きょうの音楽 #586

傘がない / 井上陽水

ファーストアルバムに、この歌が入ってるということ。

これをリアルタイムで聞いた当時の人はどれだけ驚いたでしょう。いや実はそうでもなかったのか。

ほんとのこと言うと、ぼくはこの歌詞の意味がわからない。「傘がない」という表現は「ぼくらには（自殺しなければならないような問題（=雨）から）自分たちを守る術（=傘）がない」という歌だとなんとなく思っていた。ところがある時、「深刻な社会問題なんかよりも、いま彼女の家に行くための傘がない」というラブソングだという話を聞いて、慌てて歌詞を読んだことがある。

そんな歌であってほしくはない。単純なシラケ世代や利己主義の歌ともちがう気がする。やっぱり最初の印象の通り、社会不安を嘆いているのだろうと思いたい。

何をするにしても、何処にいても、雨が降ってる。深刻な雨が降ってる。



断絶
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