旅立った人

イベントスタッフとして駆け回るあなた、

できたての雑誌を封筒に詰めるあなた、

昼休み自分で作ったお弁当を食べるあなた、

弁当箱を洗うあなた、

ソバージュのあなた、

取材に行ってきますと仕事場のドアをあけるあなた、

結婚式、みんなの祝福を受けるあなた、

仕事で神戸のできたての町をあなたと歩いた。「まご兄くん（そのときは本名で）っておもしろい人やよ」と言ってくれたことがずっと心に残っていました。そんなふうに見てくれてたんだと嬉しかったのです。

いつもテキパキと動いていたあなたを姉さんのように慕っていたことを思い出しました。まだ社会に出たばかりのぼくの手本になってくれました。

昨日の朝あなたが亡くなられたと知り、思い出が次々と浮かんでは消えていきます。もうずいぶんと長い間年賀状だけのつきあいになっていたけれど、悲しいです。

机に向かって文章を練るあなた、振り向いたときのあなた、

どうぞ安らかにおねむりください。



知らせてくれたAさん、ありがとう。